坐骨神経痛筋トレ

坐骨神経痛の人は、よく転びます。もともと筋力が弱くて坐骨神経痛になる人が多いのですが、痛みがあると益々動かなくなります。
 

するとさらに筋力が低下する、という悪循環になりがちです。これを断ち切るためにもどうにかして筋肉を鍛えなければなりません。けれど一歩間違うと、逆に坐骨神経痛を悪化させることになります。
 

どこの筋肉をどのように鍛えればいいのか、解りやすくご紹介します。

坐骨神経痛に筋トレが必要な理由

なぜ坐骨神経痛になったのか。一言でいうと、筋力が低下したからです。筋力が低下することで、体に不都合なことが起きてきます。
 

  • 骨だけでは体を支えることが出来なくなるため、腰への負担が大きくなります。
  • 支える力がないので身体は曲がり、猫背になったり、お腹が突き出たりと悪い姿勢になります。
  • 身体が曲がると、神経や内臓が圧迫されます。
  • 血管も圧迫され、血流が悪くなります。
  • 血行不良のため酸素や栄養が回らず、硬くてもろい筋肉になります。

 

この悪循環を止めるためには、筋肉を強くしなやかにする必要があり、そのために筋トレが必要になってきます。

アウターマッスルとインナーマッスルをバランスよく鍛える

筋肉には大きく分けて「アウターマッスル」と「インナーマッスル」があります。
 

外側の筋肉と内側の筋肉ですね。アウターマッスルは関節を実際に動かしたり、物を持ち上げたりなど、大きな力を出します。
 

インナーマッスルは、骨や関節、内臓を内側から支えて正常な位置に保ち、スムーズな動きをサポートします。最近よく耳にする体幹部分のことです。
 

坐骨神経痛の人にとってインナーマッスルを鍛えることは、坐骨神経痛の改善と今後の予防にも役立ちます。同時に老化予防にも効果があります。
 

ただしどちらも大切な筋肉なので、バランスよく鍛えるのが理想です。そして、無理をしないことが一番大切です。できるところから始めましょう。

坐骨神経痛に効くアウターマッスルの筋トレ

坐骨神経は足全体に広がっているので、足全体の運動が必要となります。
 

歩く

足全体の筋肉を使うなら、何と言っても歩くことが一番です。その場合、ハイヒールなど履くのはNG。足に負担のかからないシューズで、手には何も持たない方が全体のバランスがとれます。
 

少し大股で筋肉を意識しながら、姿勢正しく颯爽と歩きましょう。
 

自転車

自転車も足全体の筋肉を使います。姿勢正しく、左右のお尻に均等に体重をかけて乗ります。歩くより負担が少ないので、痛みが強い人にはおすすめです。
 

水中ウォーキング

プールが近くにあれば、泳ぐのではなく水中の中を歩きましょう。浮力で重力の負荷は少なくなりますが、水の抵抗で筋肉への負荷は全体的に均等にかかるので、インナーマッスルが鍛えられるのです。

体幹を支える胸腰筋膜は温める

腰から背中にかけて、筋肉を覆う「胸腰筋膜」があります。人の身体に自然と備わったコルセットのようなもので、大きな動きをするとき、この胸腰筋膜が腹筋を締めて、体幹を安定させてくれます。
 

この筋膜が緩むと体幹がブレて、腰に大きな負担がかかります。筋膜は使わずにいると、ゴム製品のように劣化して硬くなり、ある日無理に伸ばそうと引っ張ると、プツン…と切れてしまいます。
 

運動不足の人の筋膜がまさにこの状態です。胸腰筋膜に関しては、無理に動かさず、ホットパックなどを利用して温めましょう。
 

ゼリーと同じ成分のゼラチンでできているので、熱によって短縮した筋膜が柔らかくなります。ストレッチをするなら、温めた後が良いでしょう。

転倒防止には兵隊さん歩きで腸腰筋を鍛える

腸腰筋が衰えると、足の振り上げ動作が弱くなり、つまづく原因となります。
 

  • 気をつけの姿勢から、兵隊さんの行進のように大きく腕を振り、片足を上げます。

右足直角(またはできる限り高く上げる)、左手真っすぐ前に上がった状態で、1秒静止します。次は反対の手足も同じように上げ、1秒静止。これを1分程行います。
 

  • また、座った状態で腕を振りながら、お尻で歩くのも、腸腰筋や骨盤周りの筋肉を鍛え、姿勢の歪みを治します。

背筋、腹筋そして腹圧が背骨を支えている

これまで背骨を支えているのは背筋と腹筋だと思われていましたが、最近は「腹圧」も背骨を支える大きな働きがあることがわかってきました。腹圧がたるんでいると、腰に負担がかかります。
 

また、腹圧の支える力が弱いと「脊柱管狭窄症」や「椎間板ヘルニア」「腰椎分離すべり症」などの原因となります。背筋・腹筋・腹圧が三位一体となって上半身を支えているのです。
 

「腹式呼吸」や「スクワット」は腹圧を鍛えるのに向いています。ここでは3年ほど前に流行った「インアウトダイエット」をご紹介。
 

  • お腹を2秒かけて、出して、出して(息を吐く)、次に2秒かけ引っ込めて、引っ込める(息を吸う)

 

これだけです。お腹を出したり引っ込めたりを繰り返すだけです。いつでもどこでも、座っていても立っていてもできます。これを思いついた時に、何度でも行います。
 

このやり方は『ウエスト周りが減り、体脂肪も減る』と話題になりましたが、実は腹圧を鍛える効果もあったのです。

骨盤を支えるのは骨盤底筋

骨盤底筋は、骨盤と内臓を下から支える筋肉のことです。ここが緩むと、お腹ポッコリになったり、尿漏れの原因や生理不順にもつながります。
 

緩んでいるか知りたい時は、トイレに行ったとき、尿の放出を途中で数秒間止めてみて下さい。ちゃんと止めることができれば、骨盤底筋は緩んでいません。
 

ここを鍛えるには、腹筋は使わずに肛門をギュッと力を込めて、引き締める運動をして下さい。仰向けで寝ている時、座っている時、立っている時など、気付いた時に行います。
 

座ってばかりだと骨盤底筋は緩むので、デスクワークの人などは気を付けて下さい。

坐骨神経痛には筋トレと同時に骨の回復も必要不可欠

坐骨神経痛には筋トレも大切ですが、筋肉を鍛えるだけでは痛みは取れません。筋トレと同時に、骨や関節を回復させることも重要です。これには栄養を取り入れるしかありません。
 

グルコサミンは軟骨や腱を作る働きが有ります。人体でも作れますが、年齢とともに減少していきます。カニやエビなどの殻に含まれる成分ですが、食事で必要量摂取するのは難しいでしょう。
 

コンドロイチンも軟骨を作り、関節を動かす潤滑油の働きをします。海藻類や山芋に含まれる成分ですが、食事だけで補うのはやはり難しいです。
 

これらが含まれる医薬品が市販でも購入できますので、ぜひ筋トレと一緒に取り入れてみて下さい。

まとめ

筋トレは『坐骨神経痛で弱った筋肉を強くするため』と『これ以上坐骨神経痛を悪化させないための予防効果』があります。
 

ムキムキの身体を目指すわけではないので、最初は無理をせず、ゆっくり時間をかけて行って下さい。痛みが消え、軽やかに動けるようになるまで、根気よく続けましょう。